成人(永久歯列)の矯正

中学校に入学する頃には、すべての歯が永久歯列となり、第二大臼歯がはえてきます。その時期以降では、成人と同じような矯正治療が選択されることが多くなります。

20代前半までは、良好な治療結果が得られます


10代よりは歯の動きは遅くなりますが、
良好なかみ合わせ・歯の移動を行う、という点では、
10代の方と変わることなく、良い歯並び、かみ合わせをつくることができます。

固定式のマルチブラケット装置を使用

矯正用歯ブラシブラケットは特別な接着材で歯に接着します。

マルチブラケット装置

歯磨きをしっかりすることが大切で、矯正用の歯ブラシを使っていただく必要があります。
また、むし歯予防のため、毎日のフッ素洗口(うがい)を習慣とするようお願いしています。

矯正治療のパラダイムを変えた矯正用アンカースクリュー

矯正用アンカースクリューブラケット装置と併用して使用する、矯正用アンカースクリューは、近年急速に普及してきています。
大臼歯を後ろに動かしたり、圧下(上の奥歯は上に、下の奥歯は下に沈み込ませる方向に歯を動かすこと)したり、今まで不可能であった歯の動かし方が現在可能になっています。
これにより、治療の技術体系は現在進行形で革新的な変化を起こしています。

当院では、矯正用アンカースクリューを使用することがあっても、追加の治療費や材料代をいただいておりません。費用面でのご心配をいただかずに、最先端レベルの治療を受けていただきたいためです。

年齢とともに歯の動きに限界がある可能性も

40代、50代以上であっても、矯正治療をはじめることは可能です。
ただし、「もうこれ以上は(歯と歯の間の)すきまが閉じきれない」といったように、歯の動きに限界がある可能性があります。
また、歯を支える歯槽骨が少なくなっている場合、矯正で歯を動かしたあと、永久的に歯を連結しておかないと、歯と歯の間にすき間が出てくることもあります。

ブラックトライアングルが生じる可能性

ブラックトライアングル歯は問題なく動く一方で、年齢とともに歯をとりまく骨や歯ぐきの組織が歯の動きについていけない状況が起こりやすくなってきます。とくに、前歯では、歯と歯の間の歯肉が下がり、黒い三角形に見える「ブラックトライアングル」が生じる可能性が高まってきます。

大人の矯正でも矯正治療をするメリット


歯の動きに時間がかかったり、歯をとりまく組織が歯の動きに適応しきれない、などのリスクはありますが、「歯が長持ちするかみ合わせをつくることができる」というメリットは計り知れません。